A メタ解析・SR
マルファン症候群のための改訂 Ghent 基準(改訂 Ghent ノソロジー)
The revised Ghent nosology for the Marfan syndrome
論文情報
- 著者
- Loeys BL, Dietz HC, Braverman AC, et al.
- ジャーナル
- Journal of Medical Genetics・2010
- DOI
- 10.1136/jmg.2009.072785
- PubMed
- PMID: 20591885
- 研究デザイン
- 国際専門家パネルによる診断基準のコンセンサス改訂(nosology)
- 領域
- genetics
論文紹介
Loeys ら(2010)による改訂 Ghent 基準(Ghent ノソロジー)は、マルファン症候群の国際的な診断基準です。 旧基準(1996 Ghent)を見直し、大動脈基部の拡張・解離と水晶体偏位(ectopia lentis)を 2 大枢軸所見に据え、 FBN1 遺伝子変異と「systemic score(全身所見スコア)」を組み合わせて診断します。 systemic score は手首徴候・親指徴候・骨格・皮膚・眼などの所見を点数化し、最大 20 点・7 点以上で 全身性の関与を示します。胸郭変形では鳩胸が 2 点、漏斗胸(または胸郭非対称)が 1 点に配点されます。 この配点は、漏斗胸が「マルファンを示唆しうる所見の一つ」ではあるが、それ単独では診断にならないことを 明確にしています。漏斗胸患者がマルファン症候群との関係を理解するうえで、診断がどのように構成されるかを示す 一次資料として、evidenceLevel: A(国際コンセンサス基準)に位置づけられます。 本基準はマルファン症候群(疑い)全般を対象とし、漏斗胸患者を直接の研究対象にしたものではないため、 applicability は related とします。
主要な所見
- マルファン症候群の診断は、大動脈基部の拡張/解離 と 水晶体偏位(ectopia lentis)の 2 つを枢軸所見(cardinal feature)に置く
- 家族歴がない場合、(1) 大動脈基部拡張 + 水晶体偏位、(2) 大動脈基部拡張 + FBN1 変異、(3) 大動脈基部拡張 + systemic score ≥7、(4) 水晶体偏位 + 大動脈に関わる FBN1 のいずれかで診断する
- systemic score(全身所見スコア・最大 20 点)で、漏斗胸(pectus excavatum)または胸郭非対称は 1 点、鳩胸(pectus carinatum)は 2 点に配点される
- 漏斗胸は単独ではマルファン症候群を示さず、大動脈・水晶体・遺伝子・他の全身所見と組み合わせて評価される位置づけ
- systemic score ≥7 は全身性の結合組織関与を示すが、それだけでは診断は確定せず、大動脈または水晶体の枢軸所見が必要
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