B RCT・前向き観察 一般集団からの外挿

タンパク質摂取後の筋同化応答に「上限」はない:運動後の用量比較(25g vs 100g)

The Anabolic Response to Protein Ingestion during Recovery from Exercise Has No Upper Limit in Magnitude and Duration In Vivo in Humans

Trommelen J, van Lieshout GAA, Nyakayiru J, Holwerda AM, Smeets JSJ, Hendriks FK, van Kranenburg JMX, Zorenc AH, Senden JM, Goessens JPB, Gijsen AP, van Loon LJC

Cell Reports Medicine・2023

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論文情報

著者
Trommelen J, van Lieshout GAA, Nyakayiru J, Holwerda AM, Smeets JSJ, Hendriks FK, van Kranenburg JMX, Zorenc AH, Senden JM, Goessens JPB, Gijsen AP, van Loon LJC
ジャーナル
Cell Reports Medicine・2023
DOI
10.1016/j.xcrm.2023.101324
PubMed
PMID: 38118410
サンプルサイズ
n = 36
研究デザイン
controlled experimental trial(健康若年男性・3 用量比較・運動後 12 時間以上の筋同化応答を tracer 法で測定)
領域
muscle-hypertrophy

論文紹介

Trommelen 2023 は、Maastricht 大学のチームが Cell Reports Medicine に発表した タンパク質摂取と筋同化応答の 用量応答研究です。健康若年男性 36 名を、 抵抗運動後に 0g / 25g / 100g のミルクタンパク質を摂取する 3 群に割り付け、 以後 12 時間以上 にわたって筋タンパク同化応答を測定しました。

結果は明快で、100g 摂取群は 25g 群と比較して、より大きく・より長く 筋同化応答が 継続しました。「上限は magnitude(大きさ)にも duration(持続時間)にも見出されなかった」 というのが研究者らの結論です。

この研究の歴史的な意義は、「タンパク質は 1 食あたり 20〜40g までしか効率的に 使われない」という長年の通説を、ヒトの in vivo データで明確に覆した点にあります。 実際には、消化管はそれ以上のタンパク質も吸収し、余剰分は酸化や他組織への取り込み、 糖新生に回り、無駄に排出されるわけではないことが示されました。

漏斗胸の方に対する含意は、特に痩せ型・増量希望の方にとって大きいものです。 「1 食で食べきれない・分けて 6 回食べる必要がある」という従来の「分散信仰」を 絶対視せず、1 日の総量(体重×1.6〜2.2g/日)を確保することを優先できます。 少食で 6 食が辛い方は、食べられるタイミングに無理せずまとめても、 筋肥大上の決定的なロスは小さいことが、本研究から読み取れます。

ただし、本研究は健康若年男性を対象としており、漏斗胸患者を直接対象にしたものでは ありません(applicability: extrapolated)。また、研究デザインは中規模(n=36)で、 長期の筋肥大エンドポイントではなく短期の筋同化応答を測定したものです。 当サイトでは、この研究を「通説の上限を疑う根拠」として参照しつつ、 実践面では「分散か総量か」の二者択一ではなく、生活に合わせて選べる柔軟性の根拠 として扱います。

主要な所見

  • 健康若年男性 36 名(12 名×3 群)を、抵抗運動後に 0g / 25g / 100g のタンパク質摂取に割り付け
  • 100g 摂取群は、25g 群と比較して、より大きく・より長時間(>12 時間)にわたって筋同化応答が継続
  • 血漿アミノ酸濃度・骨格筋への取り込み量も用量依存的に増加
  • 「1 食あたり 20〜40g 以上はムダ」という従来の通説を覆す根拠
  • 余剰タンパク質も酸化・他組織への取り込み・糖新生に回り、無駄に排出されるわけではないと結論

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