C 小規模・後ろ向き 漏斗胸 患者直接

漏斗胸を抱えて生きる経験:手術前の当事者インタビュー研究

Experiences of living with funnel chest prior to corrective surgery: An interview study

Norlander L, Anderzén-Carlsson A, Vidlund M, Sundqvist AS

PLOS ONE・2024

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論文情報

著者
Norlander L, Anderzén-Carlsson A, Vidlund M, Sundqvist AS
ジャーナル
PLOS ONE・2024
DOI
10.1371/journal.pone.0304968
サンプルサイズ
n = 19
研究デザイン
質的探索的研究・半構造化電話インタビュー + 帰納的質的内容分析(NVivo 14)
領域
mental

論文紹介

スウェーデンの Örebro University と Karolinska University Hospital が共同で行った 漏斗胸患者の生活経験の質的研究。Nuss 手術予定の患者 19 名を対象に、 2020 年 2 月〜2021 年 4 月にかけて半構造化電話インタビューを実施しました。

Matsuda 2024 など量的研究が「漏斗胸患者の N% に社交不安・抑うつが見られる」と 数字で示したのに対し、本研究は 当事者の語りそのもの を体系化したのが特徴です。 質問票ベースでは拾えない、より深い感情や具体的な回避行動が記述されています。

中核テーマ:「To have, or not to have, a cavity in my chest — it could make a difference」 (胸に凹みがあるか・ないか、それは違いを生みうる)

2 つのサブテーマ × 各 3 カテゴリで構造化されています:

- サブテーマ 1:「漏斗胸は私の肩に重荷を載せる」 - 私は違うと感じる(孤独・隠す行動・「みんなと同じになりたい」という願い) - 日常生活の制限(スポーツでの脱落・戦略的回避行動・服選びの制限・家族への波及) - 違う見た目に感情的に影響される(恥・自信低下・親密な関係の障害・⚠️ 自殺念慮の言及あり)

- サブテーマ 2:「これが私だ、でも未来は変えたい」 - 漏斗胸について知ることが救いだった(「一人じゃないと分かって救われた」) - 漏斗胸は私の一部(受容・気にしない・諦めの 3 パターン) - より良い人生への希望(術後への期待と不安・「もっと若い時に知っていれば」)

pectus.jp の中核メッセージ「漏斗胸の苦しさは、胸の深さだけでは決まらない」を、 量的データではなく 当事者の生の語り で支える論文です。

Matsuda 2024(量的・LSAS/PHQ-9 で 43.4%・10.9%)と組み合わせることで、 漏斗胸の心理社会的影響を 数字と語りの 2 軸 で立体化できます。

限界: - 単一施設(スウェーデン中南部)・手術予定患者のみ(軽症・未受診・手術後は対象外) - 男性 89.5%・女性 2 名のみ(性別バランスに偏り) - 著者は漏斗胸手術経験の豊富な心臓胸部外科医を含むため、手術志向のバイアス可能性 - スウェーデン社会での経験のため、日本社会への一般化には文化差を考慮する必要

主要な所見

  • 漏斗胸手術予定の患者 19 名(男性 17 / 女性 2・平均 22 歳)に半構造化電話インタビューを実施した質的研究
  • 中核テーマ:「胸に凹みがあるか・ないか、それは違いを生みうる」
  • サブテーマ 1:漏斗胸は私の肩に重荷を載せる(「私は違う」「日常生活の制限」「感情への影響」)
  • サブテーマ 2:これが私だ、でも未来は変えたい(「知ることが救い」「漏斗胸は私の一部」「希望」)
  • 戦略的回避行動の具体例(壁を向いて着替える / 最初か最後にシャワー / 腕で隠す / 服選びの制限)
  • 深い感情まで含む語り(自殺念慮の言及を含む・量的研究では拾えない領域)
  • 医療従事者の漏斗胸知識不足の指摘(プライマリケア・学校保健での啓発の必要性)

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