医学・計測

Nuss 法(ナス法)とは何ですか?

Nuss 法は漏斗胸の代表的な手術法で、湾曲した金属バーを胸骨の裏側に挿入して凹みを持ち上げ、2-3 年後に抜去する低侵襲手術です。1987 年に米国の Donald Nuss 医師が考案し、肋軟骨の切除を伴わない点で従来の Ravitch 法と異なります。現代では世界中で最も広く行われる漏斗胸手術です。

Nuss 法の概要

Nuss 法は、漏斗胸の凹みを 金属バー(pectus bar)で内側から持ち上げる 手術法です。

手術の流れ

  1. 胸の両脇に小さな切開を入れる(3-4 cm 程度)
  2. 胸腔鏡カメラで内部を見ながら、湾曲した金属バーを胸骨の裏側に通す
  3. バーを反転させて凹みを持ち上げる
  4. バーの両端を肋骨に固定する
  5. 2-3 年後、バーを抜去する 2 度目の手術を行う

肋軟骨を切除しない

Nuss 1998 原論文 によれば、Nuss 法の最大の特徴は 肋軟骨を切除しない 点です。従来の Ravitch 法は肋軟骨を部分切除して胸骨を再形成する侵襲的な手術でしたが、Nuss 法は内側から押し上げる方式で、より低侵襲です。

効果

Kelly 2010 の 1,215 例の大規模研究 では、初回手術の 95.8% で良好〜優秀 な解剖学的結果が得られたと報告されています。

ただしこれは Nuss 法の開発元(米国 CHKD)でのデータで、他施設での結果がそのまま同じになるとは限りません。

体型への影響

Htut 2024 の 272 例研究 では、術後に身長・体重・BMI すべてが有意に増加することが報告されています(術前 BMI 19.9 → 術後 20.1)。

期間と入院

  • 手術時間: 約 1-2 時間
  • 入院期間: 1-2 週間
  • バー留置期間: 2-3 年
  • 抜去手術: 1-2 日の入院

pectus.jp での扱い

Nuss 法は「漏斗胸を物理的に矯正する選択肢の一つ」として情報を整理しています。手術の判断は個別性が高いため、本サイトでは「手術すべき / すべきでない」と決めつけることはしません。判断材料を提供するのみです。

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