社交不安障害
Social Anxiety Disorder
社交不安障害(SAD)
平易な説明
人前で見られたり評価されたりする場面に、強い不安や緊張が出る状態です。
「人前で話す」「知らない人と話す」「人前で食べる・飲む」「人前で書く」「公衆の場で着替える」などで、強い恐怖や回避行動が長く続くと、生活や仕事・学校に支障が出ます。
漏斗胸の人にとっては、銭湯・温泉・プール・更衣室・恋愛場面など、身体を見られる可能性のある場面で起きやすい傾向が知られています。
漏斗胸患者の実態
Matsuda 2024(慶應大)では、漏斗胸の手術予定患者 129 名のうち 43.4%(56 名) が、社交不安を示す尺度の基準値以上でした。
ただしこれは手術予定患者の集団のデータであり、軽度・未受診層を含む漏斗胸全体に直接当てはまる数字ではありません。
LSAS という尺度
社交不安の程度を測るのによく使われるのが LSAS(Liebowitz Social Anxiety Scale)です。
- 日常の 24 場面に対して、不安の強さと回避の度合いを点数化
- 44 点以上 が社交不安障害の可能性を考えるスクリーニング閾値(臨床診断とは別)
LSAS はあくまで研究・臨床で使われるスクリーニング尺度であり、これだけで診断するものではありません。
治療法
社交不安一般に対しては、以下が標準的に使われます:
- 認知行動療法(CBT) — 思考と行動のクセに働きかける
- 薬物療法(SSRI など)
- マインドフルネスベースの介入
ただし、漏斗胸患者を対象にした介入研究は限られるため、漏斗胸の文脈での効果は研究途上です。
専門的説明
- 英名:Social Anxiety Disorder
- 略称:SAD(または社交不安症)
- DSM-5 診断:300.23
- 中核症状:他者から評価される場面での持続的な強い恐怖・回避
- 関連:BDD(身体醜形障害) — 漏斗胸の文脈では併存しうる